人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Espresso!えすぷれっそ!!
concordanz.exblog.jp
ブログトップ
優美な音
先日行ったコンサート、「エステ家宮廷の歌姫、アンナ・グァリーニの人生」についての批評記事が出ました。書いて下さったのは、フェッラーラのルネサンス文化研究所の元館長、ジャンニ・ヴェントゥーリさんです。もう、本当にエリオ・ドゥランテ、アンナ・マルテッロッティ両氏の仕事に感服している、というのがわかる記事です。演奏に関しては、とても繊細な歌手陣によって歌い上げられた、良いコンサートだったと記されています。
ヴェントゥーリさんには、私のイタリアで発売された初のCD、「ラウラ・ペペラ−ラへのマドリガーレ」の発売にまつわるコンサートで、色々とお世話になりました。
ヴェントゥーリさんは、“…この、コンサートの中で、最も「優美な音」を我々に残したのは、歌手であるお母さんが歌っている間、ずっとおとなしく音楽に耳を傾けており、コンサートが終了し、挨拶のために再び舞台へ戻ってきた瞬間、得意そうにお母さんのドレスの裾へ走り寄っていった、ソプラノ、神谷美穂の子供であった。この美しい音楽と溢れる生命。”と記事を締めくくっています。
ああ、私の仕事は既に、ピッコリーナさんに越されています(笑)!!

今回、コンチェルト・デッレ・ダーメを取り巻く音楽を再び演奏することで、イタリアでの、ほとんど初めての仕事であった、といえる、前出のCD「ラウラ…」を勉強していたときのことを思い出しました。イタリア語もなんとかこなしている、というレベルで、マドリガーレの解釈など、難しすぎて頭がクラクラするばかりだったあの頃、(勿論、今もわからないことは沢山ありますが…)エリオ、アンナ両氏が、優しく、色々な言葉を駆使しながら、丁寧に、一つ一つの詩を説明してくださり、彼らの情熱と懐の深さに何度も助けられながら、外国の言葉を自分なりに、血、肉の通うものにしていった、その過程を思い出したのです。ルッツァスコ・ルッツァスキの書いた装飾音を優雅に、表現豊かに歌うことは私の目標でした。演奏会を重ねて行く中、とあるコンサートの後でエリオが私の近くにやってきて、「美穂、素晴らしかった!心に響いた!!」と言って抱きしめてくれた時は、もう、嬉しくって、嬉しくって、涙が出そうでした。私の音楽生活の中でとても貴重な体験の一つです。
そして、こうやって、再び素晴らしい歌手の方達とともに、言葉を丁寧に音楽とともに紡ぎ出してゆくお仕事をさせてもらえることを本当にありがたく思います。

「初心を忘れずに」、この心のささやきを大事にしたいです。

批評記事全文イタリア語はこちらから。

優美な音_a0169172_21463783.jpg
今回、色々頂いた写真の中で一番好きな写真です。コンサート前のリハーサルの風景。私達のアンサンブルの様子が良く出ているな、と思わせる一枚なのです。
by concordanze | 2015-03-10 22:14 | Resoconti 報告

XML | ATOM

Powered by Excite Blog

会社概要
プライバシーポリシー
利用規約
個人情報保護
情報取得について
免責事項
ヘルプ