2012年5月20日に発生したエミリアロマーニャ州大震災より一年が経ちました。
今夜はフェッラーラの大聖堂で行われた、バルダンツァ文化協会主催の震災に捧げるコンサートを聴きにいってきました。
2012年、3月末、私は復活祭の際にドゥーモで、 ボッケリーニのStabat Mater(悲しみの聖母)を歌わせていただきました。震災前の大聖堂の中央礼拝堂に描かれた世界の審判を頭上に歌ったのを思い出しながら、ふと見上げる天井には、修復待ちの補助テープがあちらこちらに張られており、無惨な姿です。
震災後、暫く大聖堂内には立ち入りが禁止されていました。今は立ち入りが許可されているものの、震災の爪痕をはっきりと見て取ることができます。
コントラアルトのサラ・ミンガルドさんが歌う、素晴らしい、アントニオ・ヴィヴァルディの悲しみの聖母、そしてグローリアを聞きながら、満場の聴衆が震災の犠牲者に祈りを捧げ、そして震災からの復興を心から願う、とても意味深い夕べとなりました。コンサート後に述べられた、大司教様の「美しく、痛々しいこの夕べが今のエミリアロマーニャの現実です。」という言葉が胸に刺さりました。
震災後、フェッラーラは一見通常の生活に戻りましたが、震災後、追い討ちをかけるようにやって来た悪天候、竜巻、氷、そして、5月頭には、去年を彷彿とさせる震度4程度の地震が発生し、震源地となったミランドラ、モデナ周辺の住民は、非常に緊迫した日々を送ることを強いられていました。
また、平静を取り戻したように見えるフェッラーラも、じわじわと世界的な不況も手伝い、なかなか経済は厳しい状態が続いており、去年の大震災は、本当に多くの人々を様々な形で苦しめ続けています。
この震災により、犠牲になった人々に心から祈りを捧げ、私もこの地に住んでいる一人として、前向きにエミリアロマーニャ州の未来を考え、行動していきたいと思います。