昨日はボローニャのマンツォーニ劇場、ホワイエコンサートシリーズにて演奏をしました。
詩人・哲学者のマルコ・グッツィさん、詩人のジャンカルロ・シッサさんによる“女性の権利”にまつわる講演とともに、シルヴィア・ランバルディさんとバッハのカンタータよりアリアを数曲演奏してきました。
悪天候にも関わらず、大勢の方がいらっしゃり、講演後に、お客様からも色々な意見、質問が寄せられ、とても熱い講演会でした。
お二人とも、女性の権利について、愛する、ということについて、カップルのありかたについてなど、普段、我々が生活している中で、大事に、丁寧に関わらなければいけない問題を、歯切れの良い言葉で、美しい言葉で表現されており、聴衆の方々は心地よい一時を過ごされたようです。
マルコさんによれば、今のイタリアの大不景気は、経済機構の問題だけではなく、人々が人間関係で心底疲れている、生気をなくしている、魂が生きる気力を失ってしまっているから、という面も状態の悪化に拍車をかけている、今の社会は全てが瞬間で決められている、目の前にテレビがあるから見る、宣伝されていたからこの舞台を見る、みんなが持っているから、私もこれを買う、等、人生のプロジェクトが随分と欠けている、とおっしゃっていたのが印象的でした。
“お金があるから、そんなに必要ではないけど物を購入する”ではなくて、“これが必要だから”、“これを身近において生活したいから”等、物についてのポジティヴな購買欲は健康な消費社会を形成することは確かですよね。
普段、不摂生な生活をしていて、気がついたら体調を崩していたから薬をのむ、そして完治したらまた不摂生な生活に戻る、では健全な精神はきっと育たないことでしょう。
常日頃から、自分の置かれている環境をじっくりとみて、時間をかけて大事に、自分なりの方法で自分の世界を形成してゆけば、他者との正しい関係も自然と見えてきますよね。
あせらず、のんびり、じっくりと。心癒されました。