久しぶりに友人の、紙の修復師フランコの工房へお邪魔しました。
今、彼は大きな17世紀のローマの地図を二人のアシスタントと共に修復中です。

工房に持ち込まれた時は、あちらこちらに虫に食べられた穴があり、シミだらけだったのですが、全ての穴は和紙でふさがれ、大きなシミは、特殊な液できれいに取り除かれていました。
とても大きな作品なので、一つ一つの小さな穴に、穴にそぐった形の和紙をはめ込んでいくのは、なんとも忍耐強い作業です。
現在は、和紙で継ぎ足された部分の装飾を描き込みしている作業工程です。

白い和紙で修復を施した部分は、オリジナルの紙と色が違い過ぎ、白すぎるので、装飾を描き込む前に、オリジナルの紙に近い色にしてから、装飾を書き込みます。
とても興味深い事に、この紙の着色には、コーヒー、紅茶を使用するそうですよ!とても自然な風合いに仕上がるそうです。

テベレ川の向こうにコロッセオもみえます…
この地図は、建築物が立体に描かれているのが特徴で、じっくり眺めていると、まるでローマを散策しているような気分になれます。
きめ細かな職人の手によって、又一つ、価値ある美術品が時を超えて受け継がれて行くようです。
Bravo フランコ!