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女性が本気になるとすごいのだ!
ファッラーラのアリオステーア図書館で開催された、パトリツィア・カラッフィ教授(ボローニャ大学)によるクリスティーヌ・ドゥ・ピザンの講演会に行ってきました。
この講習会は去る、3月6日に行われた“クリスティーヌ・ドゥ・ピザン、一人の女性詩人に捧げる音楽”と連動して企画された講習会です。

カラッフィ教授のソフトな声で、クリスティーヌ・ドゥ・ピザンの描かれているミニアトゥーラ(飾り文字)についての興味深い解説を聞ける、とても貴重な時間でした。
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                    カラッフィ教授

ミニアトゥーラに潜んでいる色々なシンボルを読み解いていくと、その芸術的価値と、知識的価値がぐんと身近に感じられます。

今日、一番心に残ったミニアトゥーラはこちら。
女性が本気になるとすごいのだ!_a0169172_5391025.jpg

このミニアトゥーラは二つの場面がつながっています。左側は簡素な書斎で本を開くピザン、その前に三人の女神が立っており、彼女達はそれぞれ、当時の測量道具をの手にしています。(画像がすごく悪くてわかりづらいのですが、例えば一番手前の女神はコップを手にしています。水の“量”を計る道具です。)
三人の女神はピザンに「あなたは女性として、女性の価値を見いだし、その豊かな可能性を世に示すことを選ばれた人なのです。」と告げています。
ピザンは通常、青い服を着て描かれていることが多いのですが、青はフランスの国の色の象徴です。(赤もフランスの国を象徴する色であり、よく女王様の衣服を彩っています。)そして彼女の手には彼女の仕事の糧である書物が開かれており、彼女の活発な活動を示しています。そして右の図ではピザンが女神と共に白いレンガを積み上げて、新しい「理想の国」を建設しています。白く輝くレンガは英知の象徴、そして実際にレンガを積み上げる様子は、理想を現実として積み上げ、作り上げていく様子を表しているのです。
彼女は実際にフランス宮廷において、詩人、作家、政治家、教育者としてまさに男性並みの活躍をしています。そしてその評価は、彼女が残した女性の教育を中心に記した本、《貴婦人の街 La città delle dame》(1405年、手稿譜はフランス国立図書館に保存されています。)がヨーロッパの何カ国語にも訳されている例をみてもあきらかです。
またピザンは多くの翻訳、写書も手がけたそうで、当時のイタリアを代表する作家、ジョヴァンニ・ボッカチオの作品をいち早くフランス語に翻訳した人物だということです。まさにヨーロッパを代表する女性の文化人です。

カラッフィ教授とは、以前ボローニャで行われたクリスティーヌ・ドゥ・ピザン国際会議の演奏会に参加させていただいて以来の再開でした。今日は丁度、お腹の子の性別が女の子と判明したので、そのことをお伝えしたら、「そう来なくっちゃ!がんばって。」と満面の笑顔で答えてくださいました。カラッフィ教授自身も16歳の娘さんを持つ世界的に活躍されている女性です。
今日は講演内容柄、女性の聴講者が沢山見えていて、多くの方に「女の子なの?、まあ、それは心づよいわ!」等と色々声をかけていただき、なんだかすごく勇気をいただきました。
さすがに薄着になってきたので、目につくのですね、私のお腹…。

女性のしなやかさ、力強さ、優しさが、男性の持つ、種類の違う力強さ、優しさ、行動力と結びついて国を作り上げていったら、ピザンのいうように、とても素敵な社会が築き上げられるでしょうね。
by concordanze | 2011-04-08 04:29 | Resoconti 報告

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