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Meromani メローマニ、イタリア憲法第9条
久しぶりに朝から霧の無い快晴!青い空は実に元気をくれるものなのだな〜としみじみしてしまいます。

久しぶりにカルロス・クライバー指揮、ドミンゴとコトルバシュの椿姫を「朝の音楽」として聞きました。
ラ・トラヴィアータ、椿姫はヴェルディのオペラで、イタリア人のツボです。あまりクラッシック音楽に興味の無い人でも椿姫は、絶対イタリア人の誰もが知っている、といっても過言ではないハズ。

一幕でパティーの後、ヴィオレッタに胸に飾ってあった花をもらい、「この花が枯れたら会いにいらして」といわれ、アルフレードが「ああ!なんて僕は幸せなんだ!ああ!幸せだ!!」と歌うドミンゴの声が何とも幸せそうで、なぜか涙をしてしまいました。この後に起る不幸がつらすぎる。。。

ジャンルーカは物心ついて、劇場で聞いた始めてのオペラが椿姫だったそうです。彼のおばあちゃんは、いわゆる「メローマニ」だったそうでメローマニ仲間とバスを仕立ててはローマ、ミラノの劇場までオペラを観に出かけていたのだとか。そのおばあちゃんにつれられて、ジャンル−カ少年はイタリアオペラに接したそうです。

「メローマニ」とは音楽マニアをさしていう言葉で、特にメロドラマ(イタリアオペラ)の大ファン
の事を表現しているようです。彼らは音楽を心から愛し、音楽に精通している人が多く、劇場の天井桟敷で音楽を鑑賞し、演奏が素晴らしければいち早く「ブラーヴォ」と盛大な拍手を送る人達です。
ヨーロッパの劇場はこういった天井桟敷の人々に支えられてきました。天井桟敷はプラテアに空席があろうとも、熱気ある聴衆で溢れていたのです。

しかし、不景気の風当たり強い今日この頃、ふと思い立って劇場へ行き、天井桟敷の席を買い、中へ入るとあぜんとします。‥…ガラガラなのです。たいていプラテアと、一階、二階席まではアッボナメント(定期観劇者)の人々の席で、その上からは大抵、当日券でも購入できます。しかし、かなり有名な、定評あるオーケストラが公演をしている時でも、アッボナメント席はかろうじて埋まっている感じですが、それ以外の空席が目立つ状況なのです。
劇場に足しげく通っていたジャンルーカによれば、一昔前は、定評あるオーケストラが来る時等は、天井桟敷でも予約なしでは購入できなかったそうです。

ヨーロッパは、まだ比較的多くの劇場で行われるコンサートの料金は、演目にもよりますが、プラテアでなければ1500円から2000円のところが多く、映画に行く料金とあまり違いがありません。
しかし、その1500円、2000円の楽しみも、多くの家庭に取っては、今まで月に一回は劇場に足を運んでいたところを、2ヶ月に一回、もしくは、なくなく断念している人もいるのだろうか、ましてや学生等はどうしているのだろうか、と思うとやるせないです。

                      ●●●

今シーズンのスカラ座は、バレンボイム氏指揮のワーグナーのヴァルキューレで開幕されました。
美しく着飾ったセレブリティーがスカラ座へ入っていく横で、学生達が国からの大学、研究者への補助金カットのデモを、芸術家が芸術の補助金カットのデモを、そして不条理な教育改正制度への不満、不景気への不満等等のデモを数々のグループが繰り広げ、警官隊と緊迫感漂ったにらみ合いをする中の、異例の開幕公演となりました。

バレンボイム氏は、イタリアは憲法も守られていない、とスカラ開幕前日に出演したテレビ番組でも「芸術はイタリア人の命、魂(anima)である、その芸術を保護しないことは馬鹿げている。」と国による芸術の保護を訴えていましたが、ヴァルキューレ開演前にも、「私達は今日、この素晴らしい劇場、スカラ座のためだけではなく、全てのイタリアの劇場のために演奏をします。私達は心からイタリア文化の将来を心配しています。」と述べてから「今一度、みんなでイタリア憲法第9条を思い起こしましょう」といって第9条を読み上げました。

イタリア憲法第9条
「イタリア共和国は文化と科学の研究と技術の発展に努める。
 国の景観と歴史的財産、文化的財産の維持に努める。」

↓ この様子を映像ニュースで見たい方はこちらへ
スカラ座開幕
レプッブリカ新聞のホームページのニュース映像です。イタリア語です。


…学生の奨学金全面廃止、研究者への、大学への補助カット、教育機関全般への色々と不適応な改革、ポンペイの崩壊、等々、今のイタリアで起っている現状とはほど遠い状況です。

芸術はイタリア人だけの魂ではありません、「人類の魂」だと、私は思うのです。
イタリアは多くの芸術シーンを常にリードしてきました。多くの人の「魂」を救い、解放してきたはずです。
どうか「イタリア人の魂」が消えること無く、代々と受け継がれていきますように‥…。
by concordanze | 2010-12-10 20:54 | Vita quotidiana 生活

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