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赤い屋根、フェッラーラのゲットー
友達のクラリネット吹きのジャンルーカ・フォルティーニ(通称ナイモ)のお家の窓から見える眺め。
彼は、私の旦那さん、ジャンルーカと同じ名前。
呼び分けるために、私達は“ナイモ”と呼んでいます。
イタリア語で“同名の”という意味の言葉、omonimoを半分に分けて、ギター・ジャンルーカは
“omo・オモ”でクラリネット・ジャンルーカは“nimoナイモ(英語風発音?)”になったのです。
あはは、どうでもいいですね☆

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彼は街の中心にある、いわゆる“ゲットー地区”に住んでいます。
ゲットー地区、とはその昔、ヨーロッパの都市で、ユダヤ人が強制的に住居させられていた地区のことをいいます。

昔は地区の入り口に、大きな鍵がかけられていて、一定の時間外は自由に行き来も出来なかったそうです。

赤い屋根、フェッラーラのゲットー_a0169172_1913938.jpg



多くのユダヤ人が住んでいた名残で、いまも、ユダヤ人系の人々が多く住んでいます。
そして多くの若者も住んでいる地区です。なぜなら、ゲットー地区は街の中心に位置し、しかも街で一番古い家並みが集中して残っている地域なのです。1400年代〜のアンティークな家にモダンな家具を置いて、おしゃれな生活空間を満喫できます。…ただ、どこも小さめの部屋で、エレベーターが無く、狭く、急な階段を上らなければなりません。

友達のイスラエル人、アレックスは、このゲットー地区にある教会に通っていました。
一度誘われて、彼らのお祈りに参加したことがあります。

シナゴーグでは女性と男性が別れて座り、ラビ(指導者)の読み上げるお祈りを聞きました。
私はラビが何を言っているのかは理解できませんでしたが、ラビの周りに子供があつまり、熱心に聞き入り、ラビの後について歌うようにお祈りを読み上げるのをみて、ああ、このように彼らの成長の中に、生活の一部として自然に宗教が根付いていくのだな、と肌で感じたのを覚えています。

フェッラーラの、現在はユダヤ文化美術館(観覧、要予約)となっているこの教会は、とても開けており、良く、教徒ではない人も参加できる色々な催しを企画しています。
こうやって子供達は祖国の伝統を忘れずに、イタリア文化にもなじんでいくのです。
私も何度かコンサートに参加しました。

フェッラーラ出身の作家Giorgio Bassani、ジョルジョ・バッサーニ(1916-2000)は、本人もユダヤ人系の家系に生まれ、"Il giardino di Finzi-Contini,フィンツィ・コンティーニの庭"というユダヤ人の家族を主人公にした物語を発表しています。
この作品は、ヴィットリオ・デ・シーカによって映画化もされており、フェッラーラ人ならだれでもしっています。

‥…などと、屋根を眺めながら色々と連想してしまいました。

ナイモはユダヤ音楽を演奏するグループにも参加しているのですが、
彼がちょうど、ユダヤ音楽を吹いて聞かせてくれたせい…かもしれません。
by concordanze | 2010-10-26 20:37 | Vita quotidiana 生活

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