エリオ・ドゥランテとアンナ・マルテッロッティによる《 Giovinetta peregrina - La vera storia di Laura Peperara e Torquato Tasso /年若き巡礼者、トルクワート・タッソーとラウラ・ペペラーラの真実 》が Olschi(オルスキ)出版より発売されました!
発売されたてほやほやをエリオとアンナがプレゼントしてくれました。

見た目も美しい!すてきです。
使用されているイメージはニッコロ・デッラバーテの壁画〈ハープ奏者〉です。モデナのガッレリア・エステンセに保存されています。
トルクァート・タッソーはマントヴァ、フェッラーラを中心に大活躍したルネサンス時代の詩人です。彼の作品「解放されたイエルサレム」は音楽好きの人なら一度は触れたことのある作品でしょう。彼のこの作品をはじめ、様々な音楽に多くの詩が当時から現在まで使用されつづけています。
また彼自身の波乱にとんだ人生は、それ自体がドラマです。彼は一度、精神錯乱に陥り、フェッラーラでサンタ・アンナ病院に幽閉されます。「解放されたイエルサレム」の作品の完成度に悩んだ末に錯乱してしまったと言われています。そのタッソーが幽閉されていたサンタ・アンナ病院は今現在、フェッラーラのジローラモ・フレスコバルディ音楽院として使用されています。その当時と同名の市民病院は現在町外れに移動しています。
タッソーが多くの詩をコンチェルト・デッレダーメの重要なメンバーであるラウラ・ペペラーラに捧げたことは先日のCD発売のお知らせでも紹介いたしました。
コンチェルト・デッレダーメ、この類い稀なる歌唱力を持った貴婦人によるアンサンブルの形成に、ラウラの存在は欠かせません。しいては、ラウラはフェッラーラでの華やかな宮廷音楽の発展に欠かせない人物であったのです。多くの芸術家が彼女にインスピレーションを得た、とされています。
当時のエステ家公爵アルフォンソ2世のたっての望みで、マントヴァからやってきた美しいダーメ(貴婦人)は、長らくの間、フェッラーラ到着当時、既に30歳程であったとされていたのですが、エリオとアンナの膨大な資料研究の結果、どうやら真実は‥…。そしてタッソーにとってラウラは“第二の恋の炎”だったとか!
興味のある方はぜひこの本を読んでみてください!!
といっても全てイタリア語で書かれているのでなかなか読むのは大変ですが、コンチェルト・デッレダーメについて詳しく知りたい方にはぜひぜひお勧めの研究書です。
そして、この研究所の最大の特徴は研究書を読みながら、そこに説明されていることが音楽で再現されているところです。そうなのです。付録として我々の先日発売されたCDがついているのです!
付録のCDを聞きながら本に指示されたページを繰れば、その曲の説明にたどり着きます。なんとも便利です。
タッソーとラウラの真実の関係を発見し、思いを馳せながら、その当時の音楽に触れられる、という素敵な本なのです!
お求めになるには、日本でも音楽専門書等をおいているところではどこでも注文が可能だと思います。
またイタリアにお住まいの方は、オルスキのホームページでお求めいただけますし、フェッラーラにふらっといらしたときに、「ああ、そういえばここフェッラーラのエステ家では、かのコンチェルト・デッレダーメが活躍したところだったな〜。」等とふと脳裏に浮かんだ際は、ぜひ、サラチェーナ通りにある本屋さん Sognalibro(Via Saracena, 43)を訪れてみてください。ここの本屋さんでは常に在庫があります(あるはず)。
この本屋さんは、本好きのかたに大変お勧めです。
フェッラーラの食文化、芸術、歴史についての本をはじめ、色々興味深い本が豊富にそろえられており、観光レベルから専門レベルまでかなり充実しています。女主人の素敵なマダム、セレーナが親切に探し物をお手伝いしてくれますよ。犬のノッチョーラも常にお店に待機していて和ませてくれます。(いつも寝ている)
明日はフィレンツェ方面にコンサートに行って参ります!