きのうは旦那さんのお兄さん、エドアルドのお誕生日。
今日のお昼は家族のみでのお誕生日パ−ティーです。
彼のリクエストでカッペッレッティ・インブロードにメニューは決定。
カッペッレッティはイタリア語で小さな帽子という意味です。ブロードは鳥のスープ。
このカッペッレッティと呼ばれる詰め物入りパスタ、エミリアロマーナ州でよく見られるパスタですが、地方によりそれぞれ名前が違います。ボローニャではトルテッリーニと呼ばれています。
帽子の大きさも様々。フェッラーラは一口サイズのものが主流。ボローニャではさらに小さいものも良く見かけます。フェッラーラではカッペッレッティ・インブロードはクリスマスの晩餐で食べられることは良く知られていますが、冬場を中心に、どこのレストランでも見かけることができます。しかし、私はあまりレストランでこのお皿を注文することはありません。ロリアーノお父さんのカッペッレッティを食べた後、私の中のカッペッレッティ・インブロードはお父さんの作ったものが一番になってしまったのです!!
寝坊をした私がロリアーノお父さんのお家に到着すると…
すでにパスタ生地がまさにお皿に収まろうとしているところ。
暫しお休みさせます。
一時間程お父さんとおしゃべりを楽しみます。
お父さんは、よく、彼が俳優として活動していた時代の話、写真屋さんとして働いた時代(フェッラーラで最も古い写真やさんの一人として活躍していました。)、そして戦争の話、等々色々と私の知らない世界のことを教えてくれます。
そして休ませていた生地をのばしにかかります。
こんなに大きくなりました。
ちょうどいい大きさに切り分けます。
大きすぎず小さすぎず。
乾かないようにきれいに並べてラップでくるんで…
既にお父さんが用意をしていた詰め物を準備します。
この詰め物がまたおいしい!豚のロース、ゴレッタ(豚の首の部分)、コッポーネ(同じく首の後ろの部位)、サルシッチャ(お肉の味しっかりのソーセージ)をゆで、モルタデッラ(ハムの一種、主にボローニャで作られる、ソーセージのようなハムです)、生ハムを加えてフードカッターで全て混ぜ合わせます。さらに卵、パルミッジャーノチーズ、ナツメグを良ーく混ぜ合わせると、口当たりの柔らかなお肉のパテの出来上がり。昔は細かく刻んだ材料を、木槌でたたいて滑らかにしていたそうですよ。このパテ、フェッラーラ弁ではbatùバトゥと呼ばれています。Battuto(バットゥート)細かく刻んだ、たたいた、という言葉が語源です。
作業しやすい大きさに切り分けて…
さてこの先はまた、おしゃべりを楽しみながらのカッペッレッティを閉じる作業になります。
さて、シェークスピアの「ハムレット」の中の有名な台詞、「生きるべきか、死ぬべきか…」という台詞をどのように自分は演じたか‥という話をききながら作業は進みます。たまにお肉のパテを口に運んだりしながら。
そして、なんだかんだと言っているうちに作業終了!
おしゃべりをしているとあっという間。
程よくエドアルドと旦那さんも到着。お誕生日パーティーの始まりです。
私はパルミッジャーノをかけないで食べる派です。
んんん〜なんとも言えないおいしさ!つるっとしたのどごし、程よい一口サイズ、おしいいブロード…あああ、幸せ!お父さん、ブラーヴォ!エドアルド、お誕生日おめでとう!!
この後、あらかじめゆでておいたカッポーネ(去勢した雄鶏)、牛のほほ肉などをブロードで暖めたものを、ゆず胡椒でいただき(勿論、私の持ち込んだ文化です。今やみな、ゆず胡椒の大ファンです)、シャンパンを開け、アーモンドのケーキを平らげ、楽しい家族パーティーとなりました。